『日本銀行建築譜』は辰野金吾の没後、その功績を後世に伝える記念事業の一つとして、肖像画・伝記(『工学博士辰野金吾伝』)と共に辰野の代表作であった日本銀行の建築記録の製作が企画されたものです。
すすめられていた記録編さん作業は、関東大震災による日本銀行本店本館内の火災による関係図面・書類の消失で一時中断しますが、建物の震災復旧工事(1926年実施)を機に図面を実測復元し、1928年に完成されました。記録編さんは葛西萬司(日本銀行建築時には製図主任として辰野を支え、のち、辰野と共に「辰野葛西建築事務所」を開設)と長野宇平治(日本銀行の建築技師として、また民間の建築士としても本支店の建築・増築に数多く関わる)によるものです。
『日本銀行建築譜』は200部のみ作成され、その貴重な一冊は唐津市にも寄贈され、大切に保管されています。
現在は唐津市民でさえもなかなか見ることが叶わない本です。
ほんの数ページですが、今回公開できることになりました。(期間中、展示ページの変更あり)
通常は「館内、写真撮影は自由にどうぞ」とご案内していますが、今回この『日本銀行建築譜』だけは例外となります。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。